青空の下で

奈良、関西、金沢、東京と生活の拠点を移しながら、様々なよしなしごとを綴ります。

タレント知事と地方自治。

大阪で橋下弁護士大阪府知事になることになりました。今までの発言や当選してからの発言も少し飛ばしすぎ、の感はありますが、個人的には応援しています。

現在の都道府県知事はほとんど総務省などのキャリアからの転身組か、県職員からの横滑り組がほとんどです。しかも、選挙の際、共産党を除いた党の相乗りで立候補されます。そのため、ほとんどの場合、立候補した時点で決まってしまっているのが実情です。これでは、内部の人間が上に立つことになり、ドラスティックな改革を望めないのは火を見るより明らかです(もちろん、前鳥取県知事のような例外はありますが)。

現在、地方の三位一体の改革が進められています。三位一体とは「国庫補助負担金の廃止・縮減」「税財源の移譲」「地方交付税の一体的見直し」の三つを指します。現在住宅ローンの控除で所得税額がゼロになり、住民税から控除してもらうようにと会社から言われた人もいるのではないでしょうか?それも、実は国税である、所得税の一部が自治体の住民税に税源移譲されたため、所得税額が低くなり、税源移譲された住民税で控除しきれなかった分を手続きする必要が出てきたためです。一般にはこの三位一体の改革はあまり知られていないようですが、地方自治に関わる重要な改革になります。

例えば、地方交付税の見直しや、国庫補助金の廃止等などにより、今まで苦労しなくても国からもらえていたお金が入ってこなくなることもあるわけです。そうなれば、今までと同じようにやっていてもじり貧になるのは目に見えています。今話題になっているガソリン税暫定税率の問題も地方にとっては貴重な財源を失うことになるわけで、もし、暫定税率が廃止された場合、道路の補修もままならない自治体が続出するはずです(僕個人は民主党の廃止案についてはポピュリズムの一種だと思っています。どうせ、自民・公明が再議決で廃止はされないとふんでいるのでは、とさえ思っています。ただし、今回民主党自民党との相乗りを避けました。これは衆議院選対策とはいえ、民主党の小沢代表の英断だと思っています)。

このような改革を進めている中で今まで通りの首長選びでは決していけないはずなんです。オンブズマン的、第三者的に行政を見ていく、そんな首長が必要な時代です。そう言う意味で大阪の知事選は、意義のある戦いになったと思います。橋下新知事がどの程度の改革を成し遂げるかは未知数ですが、少なくともおかしいところはおかしい、といえると信じています。是非とも、良い意味での「素人さ」を発揮してもらいたい、そう思います。

ちなみにこれは、市町村長、そして地方議員も同じです。今までと同じように職員の横滑りや二世議員の氾濫のままでは、地方自治の理念が泣きます。

僕はある中核市の職員をしていたことがあります。その時の助役は総務省からの出向者です。この市に来る前は某県の部長だったそうです。また、その市の所属する県にも、多数の、国からの出向者がいました。しかも、その数が多いと、自慢に値するんです。中央とのパイプが太い、と。

これでは、真の地方自治が育っているとは到底言えません。と、いうより、日本は未だに地方自治が育っていない未熟な状況と言ってほうが正しいのかもしれません。三位一体の改革については、様々な批判もありますし、おかしなところもあるかと思います。ただ、日本の地方自治を進めていくためには少しでも前進していく必要があり、そのためにも三位一体の改革を利用すべきだと考えます。

そう言う意味で今後は首長の選挙においても、様々な候補が出て、選挙民が選択できるように変えていかねばならないと思います。個人的には、公務員の横滑りを防ぐために、地方公務員であれば、所属していた自治体への首長選への出馬を禁止したり、総務省などのキャリア出向組が都合で出馬するのを防ぐために、出馬する地域に住民票を置いていた期間を設定し、規定以上の期間住民票がなければ出馬できない、などの制限を設けても良いのではないかとさえ思います。

当初はかなりの混乱をきたすと思います。ひょっとしたら、出馬する人間がいない、なんてことになるかもしれません。しかし、それぐらいの荒療治が必要なところまで来ていると思っています。ただ一つ言えることは、これで、日本の地方自治は少しずつでも前に進むことが出来る、そう思います。

日本はまだまだ民主主義が根付いていないのかもしれません。何せ、「地方自治は民主主義の学校」(イギリスの政治家、ブライスの言葉)なんですから。

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