青空の下で

奈良、関西、金沢、東京と生活の拠点を移しながら、様々なよしなしごとを綴ります。

JR西日本の事故で思うこと。

先日、JR西日本福知山線で痛ましい事故が起こりました。私は関西出身ですし、実際に乗ったことがある路線だけに人ごとではありません。ましてや知り合いも周辺地域にたくさん住んでいます。不謹慎かもしれませんが、誰か事故に遭っていないか、本当に心配でした(私の場合は事故にあった人はいないようです)。とはいえ、既に90人以上の死者が出、400人以上も負傷者が出ている、JR史上最悪の事故です。この事故で不幸にあわれた方々には心からお見舞いを申し上げます。

このような大事故が起こったときにいつも気になることがあります。それはいわゆるマスコミの報道です。今回の事故でも、JR西日本に最大の責任があるのは確かなのですが、それを強調しようとするあまり、社長や経営陣を挑発したり、遺族や被害者の方を「あおる」ような取材をしている記者がいるようです。私がテレビで見ていただけでも、遺族への謝罪に急ぐ社長の前をふさぎ、「謝罪が終われば記者会見をする」といっているにもかかわらず、通さないようにして挑発するような声を投げかけたり、経営陣とおそらく対立関係にある(はずの)労組の委員長や書記長の発言を検証なしにそのまま流したりしています。

今回の件でも、スピードアップで乗客がサービスを享受していたのは確かですし、1分半の遅れでもクレームを入れる乗客がいるのも確かです(実際にクレームを入れた乗客がいるそうです)。また、車体の軽量化に関しても悪いことばかりではなく、運動性が高くなることから、乗り心地の向上、消費電力の低下につながり、これが運賃の低減化、ひいては使用電力が少なくなることによる環境保護にもつながるはずです。問題なのは軽量化と堅牢性のバランスであって、軽量化が乗客無視の安全犠牲の象徴としか報道されないのは腑に落ちません(それに、ボディ鋼鈑を単純に薄くしているのではなく、自動車と同じでクラッシャブル構造にして事故による運動エネルギーを吸収し、中の乗客への影響を少なくすることも考慮されていると考えます)。世の中、自動車は燃費向上のために軽量化を進め、それが賞賛される報道されているにもかかわらず、です。それにもっと言うと、これだけの事故が起こっても、自動車よりも何百倍安全な乗り物が鉄道なのにもかかわらず、です。

どうも日本のマスコミはこの手の事故の場合、事故を起こした会社を悪者と決めつけ、感情的に報道していく傾向があるように思えてなりません。ニュースの解説に評論家の意見を聞く場合も会社のスタンスを反映した人の意見を載せたり流しているようにしか思えないこともあります。もちろん、そのような切り口があっても良いのですが、私としては、このようなときこそマスコミが先頭を切って冷静に事故を分析し、今後の為になる記事を書いて欲しいですし、それがマスコミの義務だと思います。

特に鉄道に詳しいわけでもなく、また、マスコミの人と直接話をすることもあまりありませんので、ひょっとしたら馬鹿なことを書いているのかもしれません。ただ、このような意見を持っている人間もいる、ということが伝わって、多種多様で質の高い報道がなされていくことを切に願います。